ＤＤＬＪ　ラブゲット大作戦

ＤＤＬＪ 「踊る」シリーズ（「踊る大捜査線」は別だよ）がマドラスを中心とするタミル語の映画であるのに対し、この映画はボンベイで作られたヒンディー語の映画。日本では９９年に公開。

主人公のラージを演じるのがインド映画界の大人気スターであるシャー・ルク・カーンである。「踊る」シリーズのラジニは１９５０年生まれ、シャー・ルク・カーンは１９６５年生まれと若い。彼をイメージした香水まで作られており、予告編でその宣伝（まじめな宣伝）が出ると、場内爆笑。（クサいのだよ。演技が）日本でも公開された「ラジュー出世する」にも出ていたのかな。この時点でぴな未見。

映画の前半は舞台はヨーロッパ。ロンドンに住む二人の若いインド人の男（カーン）、女（カージョル）が、旅行先のヨーロッパでいろいろなトラブルの後、恋に落ちていくのを延々と描いている。加山雄三の若大将シリーズに似ているかもしれない。うん、アルプスの若大将なんかそっくりだな。この前半ではカーンはイヤらしい男、言ってみれば青大将を演じているのだ。大勢で踊るシーンもあんまりなくて、なんかインド映画じゃないみたい。

ところが、後半になると舞台をインドに移して様子が一変する。女は父の決めた許婚者と結婚するためにデリーの北の方のパンジャブ州に一家で引っ越してくる。それを追って男がインドへ。何とか女の父親の許しを得て女を連れて帰ろうとあの手この手。これが「ラブゲット大作戦」なるタイトルの意味。でも、もうちょっと何かないのかなぁ(笑)。ここでは若大将を演じるカーン。

インドでのシーンは結婚式を前にいろいろな儀式が繰り広げられて、インドの伝統的な習慣がよくわかる。
とにかく踊ってしまうのだ。アルナチャーラムでもあったのだが、新郎側、新婦側が掛け合いで踊るのだが、即興なのかな？　とにかくみんな詩人であり、歌手であり、舞踏家なのだ。（映画の中だけのお話かな？）

とにかく、後半のポイントは二人の親父である。男の親父は息子の恋を実らせようとインドまで来てしまう。一方の女の親父は頑固そのもの。おっかなすぎる。対照的なこの二人。とにかく、この二人の親父が 活躍する、というかカギを握ってるのだ。

映画唯一の格闘シーンが駅であり、そして・・・。ラストの大どんでん返しは涙なくしては見られない。 泣きましたよ、ええ、泣きました。

ヒロインのカージョルはヒロコ・グレースそっくり。とっても可愛くて、初めて恋を知った純情な娘を好演している。しかし、その純情さとアンバランスなくらいの巨胸の持ち主。これはインドの女優のお約束。最初、ロンドンの駅で列車に乗り遅れそうになって走っているところなんか、もう、ゆっさ、ゆっさと凄い。（おっぱい星人向け）
雨の中でまだ見ぬ恋人を想って歌い踊るシーンとか、酔っ払ってプールの中とか、雪の上を転げ落ちる シーンとか、結構、男にとっておいしいシーンがあったな。
水に濡れるシーンも随分あったわけだけど、あの二人は清い関係だろうな、きっと。

そうそう、ヒロインの妹役の女の子。５年くらい後が楽しみな感じだった。

（99.10.16　新宿・東映パラスにて）